研究をしています。
今回は幸福度が高いと生産性が本当に上がるのかについて面白い研究結果がありましたのでご紹介させてもらいます。またそれらの関係する幸福度・生産性に関する他の研究も紹介していきます。
①研究の結論
②研究内容
③幸福度に関する他の研究
④生産性に関する他の研究
幸福度が高いと生産性が上がる
通常のグループに比べて幸福度が高いグループの方が生産性が10%も高いことがイギリスのウォーリック大学の研究でわかりました。
幸福度が高い人ほど生産性が高いということに加えて、幸福度が低い状態の人が幸福度が上昇した場合も生産性が高くなる傾向があるということもわかりました。
研究内容
イギリスのウォーリック大学で実験が行われました。被験者は合計710人が参加。その後被験者たちは以下の4つのグループに分けました。
- コメディーを見る
- コメディーを見る【プラス】検証期間が長い
- 作業時にチョコレートや果物などを支給
- 作業前にアンケートで直近で起こった悲しいことを思い出させる
簡単に4つをグループ分けすると
①〜③が幸福度が高いグループでその中でも
①はその場限りの生産性
②は幸福度はいつまで生産性に影響を与えるのか。
③はコメディーとは違った幸福度
④は幸福度が低いグループ
①〜④を行った後に簡単な計算問題や
簡単な作業をしてもらい、
生産性に関するデータを取りました。
それぞれの研究結果を棒グラフで見ていきましょう。
(濃い色:見ない人、薄い色:見た人)
見ない人>見た人
コメディーにより幸福度が上がり生産性が上がっていることが①でわかります。
(濃い色:普通、薄い色:幸福)
このデータを見ると先ほどと同じく幸福度が高いと生産性が高いことがわかります。
また、女性に比べて男性はコメディーを見ると長期的に見ても格段に生産性が高い事が分かりました。
(薄い色:普通、濃い色:幸福)
上記のグループと同様に幸福度が高いと生産性が上がる傾向が見て取れます。
悲しいことを思い出させる
(濃い色:普通、薄い色:不幸)
普通の人に比べて不幸な人は生産性が低くなることが発見されました。
従業員のモチベーションを高めることで有名なGoogle社は従業員のサポート(=幸福度を高めること)に多くの投資をしており、満足度が37%も向上しています。Google社の社員の人達は幸福度と高めることによって、時間の使い方が上手くなり、仕事の質を下げることなく生産スピードを上げる構造を作り上げました。
研究結果
研究結果から幸福度が高いということは仕事での生産性を高めるということになるのです。
続いては幸福度に関する研究を4つ、
生産性に関する研究を2つを
簡潔に紹介していきます。
幸福度に関する研究4選
幸福度が高いと生産性が上がるだけじゃなく、我慢強くもなるという研究結果があるように幸福度は私たちに様々なことを教えてくれるのです。
今回は研究の中で読者のお役に立てる幸福度に関する研究を紹介していきます。
主観的幸福度
あなたは今の生活に満足していますか。0〜10で表してください。(0は不幸、10は幸福)
この質問に答えてもらったデータを集計した結果、男性に比べて女性の方が幸福度が高い傾向があるということが分かったのです。また年齢が下がるにつれて幸福度が低い傾向も分かっています。
女性は結婚の時が一番幸福度が高い
幸福のパラドックス
従来の経済学では、現在の所得より少しでも所得が上がると幸福度も向上すると考えられていました。
しかし、行動経済学の研究では700万円/年を超えてくると幸福度が横ばいになるという研究結果が出ました。
1億円稼いでいる人が2億円稼ごうだとしても、その人は幸福度は上がらないのです。
つまり、所得が増えるのに幸福度は増えない。このことを降伏のパラドックスといいます。
基準点仮説
この研究では私たち一人一人には幸福度に関する基準点が存在しており、嬉しいことや悲しいことがあると、一時的に自分の基準点から大幅にズレるが、時間が経つにつれてそのズレが修正されていくということ
ミシンガン大学の研究では私たちの幸福に与えるニュースで基準点からズレたとしても4日程度で自分の基準点に戻るということを明らかにしました。
相対所得説
通常給料が1万円上がると幸福度も上昇します。しかし、自分と同じく、同僚も1万円給料が上がっていたことを知ると私たちの幸福度が変化しないのです。
つまり、私達の幸福度は他人との比較から生まれているということです。
以上が幸福度に関する4つの研究でした。
生産性に関する研究2選
生産性に関する研究はGoogle社をお勧めします。理由としては世界でもトップに入るほど従業員の生産性に関することに投資をし、それに加え、投資して得たデータを無料で公開されている事が多いため、私は生産背を高めるデータはGoogle社をお勧めします。
同僚の給料
私達は同僚の給料を知ってしまうと生産性が下がってしまう事がわかっています。また、同僚よりも給料が低いとわかった人の方が生産性が格段に下がっていることもわかっています。
ピア効果
スーパーマーケットのレジの統計から面白いデータが発見されました。それは生産性の高い人が目に見える位置にいる場合、見ている人も生産性が上がっている事がわかりました。
また、競泳の時も隣のレーンに早い人がいる場合の方がより速く泳いでいるということもわかっています。
中高生の喫煙者のほとんどが友達が喫煙しているという理由で自らも喫煙してしまう人が多いです。これもピア効果の一例です。
まとめ
以上が行動経済学の研究で発見された幸福度が生産性に与える影響【プラス】それに付随する研究結果の紹介でした。
いかがだったでしょうか。
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また興味がある方は私のサイトの行動経済学に関する記事をお読みください。