不動産投資を検討している時に「リースバック」という記載がある物件に出会うことはないでしょうか?
リースバック物件は最初から賃料や入居者が決まっているため、収益の予想が立てやすく比較的リスクの小さい案件と言えます。
・リースバック物件に投資しようか迷っている。
・リースバック物件の特徴やリスクを知りたい。
今回は、上記のような方向けに記事を作成しています。
- リースバック物件は投資先としてありか
- リースバック物件を購入するメリット、デメリット
- リースバック物件の投資に向いている人
本記事では、実際に利回り12%のリースバック物件を購入した筆者がリースバック物件投資の特徴や注意点について詳しく解説します。
リースバック物件は長期的に安定した利回りで投資できる可能性が高い物件です。
リースバックとは
リースバックとは、住宅ローン等の支払いが厳しくなった住居者が不動産会社に一旦自宅を売却し、不動産会社と賃貸借契約を結ぶことでそのまま住み続けるというサービスです。
入居者にとっては任意売却した場合よりも売却価格が安くなりますが、住み慣れた家に住み続けることができ、引っ越しが不要といったメリットがあります。
利用者は健全なうちに資産を整理しておきたいという高齢者に加え離婚、リストラなどの収入事情の変化により直近に資金が必要となった方が多いようです。
リースバック物件を楽待や健美家などの不動産ポータルサイト経由で購入する場合は一般的に次の図のような契約になります。
まず、売主側は既にリースバックを取り扱う不動産会社と賃貸借契約を結んでおり、その契約ごと仲介会社を通して買主側が買い取るということになります。
お金の流れで言うと、売主は自宅を本来の相場の60%~70%の価格で不動産会社に売却、不動産会社はその価格を元に表面利回りが10%程度になるよう家賃を設定し、賃貸借契約を結びます。そこから仲介会社を通し、物件価格相場の80%~100%程度で投資家に販売するというイメージです。
つまり、一般的な戸建てのオーナーチェンジ物件と似たような契約になります。
ほとんどの場合、リースバックは不動産会社が自ら運営する場合が多いですが、社内の管理規定に合わない、早期現金化で利益を確定したいなどの理由があれば投資家に売却されます。また、短期で売買される場合は不動産会社は物件の登記を行わず、直接買主に名義を移行する「中間省略登記」を行う場合もあります。
利用者側から見たリースバックのメリット、デメリットについてはこちらの動画で解説されています。
また、国土交通省がリースバックに関するガイドラインを詳しくまとめておりますので、詳細が知りたいという方はこちらも合わせてご参照ください。
リースバック物件に投資するメリット
投資先としてみた場合のリースバック物件に投資するメリットは次のようになります。
- 空室リスクが低い。
- 賃料が一定で下落しない。
- 修繕費用等が掛からない。
- 物件管理が不要。
- 銀行融資が利用できる。
空室リスクが低い
リースバック物件は元々住んでいた方がそのまま賃貸するので空室リスクが低いと言えます。普通借家契約の場合は入居者が退去を申し出ない限り、自動で更新されていくので5年、10年と住み続けてもらえる可能性があります。退去がない分、入居者探しなどが不要になり、コストを抑えることが出来ます。
但し、契約内容が定期借家契約となっている場合は退去時期が決まっている場合があるので購入前に確認しておきましょう。
賃料が一定で下落しない
リースバック物件は不動産会社が買い取る時点で家賃設定が決められており、基本的には年数によって下落することがありません。そのため、築年数が長くなると周辺の家賃相場より若干高くなることが多いですが、それでも退去のリスクが小さいところがリースバック物件の大きなメリットです。
修繕費用が掛からない
リースバックの場合、建物や設備の修繕はこれまで長年使用してきた入居者の責任となっている場合が多く、そのような契約の場合は物件の修繕費用が掛かりません。
私の購入した物件では、屋根、雨漏り、外壁、シロアリ被害などすべて含めて借主負担のためオーナーの手出しは火災保険程度です。
契約内容によって変わるところなので、どこまでがどちらの範囲なのかしっかりチェックしておきましょう。
物件管理が不要
リースバックの場合は物件の管理もすべて入居者が行うので、買主は特に何もすることがありません。
そのため、管理会社を通さない自主管理が容易で管理コストを抑えることが出来ます。不動産会社の方に聞いたところ、オーナーであっても物件のカギを預からないという方が多いようです。
銀行融資が利用できる
一般的なオーナーチェンジの戸建てと同様に物件の評価額がそれなりにあれば銀行融資を受けることが出来ます。また、築古戸建て投資と比べると、収入の予想が立てやすいので比較的融資も通りやすいように思います。株式投資などと比べると、レバレッジを掛けることが出来るので資産増加のペースを加速させることが出来ます。
リースバック物件に投資するデメリット
一方、投資先としてみた場合のリースバック物件に投資するデメリットは次のようになります。
- 内覧が出来ない。
- 経験値がたまらない。
- 超高利回りは狙えない。
内覧が出来ない
オーナーチェンジ物件はどこもそうですが、購入前に物件を内覧することが難しいです。
リースバックのため、修繕費用等は掛かりませんが退去後に別の方に賃貸が出来るかどうかの判断は中々難しくなります。退去後は古家付きの土地として売却するという前提で収益シミュレーションは検討した方が無難です。
経験値がたまらない
リースバック物件は不動産投資ですが、大家がすることがほとんどなく形としては高利回りの金融商品に近いです。そのため、ボロ戸建てをリフォームして入居付けを行う等、大家としての経験はつめないので、経験値は上がりません。
不動産投資はしてみたいけど、あまり手間はかけたくないという方にはおすすめの投資と言えます。
超高利回りは狙えない
リースバック物件は賃料と物件売却価格が密接に関係しており、利回りから全て計算されるため、余程の僻地ではない限り20%越えなどの超高利回りは期待できません。
一般的には8~12%程度の物件が多く、低リスクミドルリターンの投資と言えます。
リースバック物件に投資する際の注意点
リースバック物件を購入する場合は次のような点に注意しましょう。
- 賃貸借契約の内容を確認する。
- 最終的な売却価格を想定しておく。
- 家賃保証会社の有無を確認する。
- 売主の売却理由を確認する。
契約内容の確認
まず、賃貸借契約や不動産業者、売主間の契約内容をそのまま引き継ぐことになるので、それらの契約書は事前に取り寄せ、内容を確認しておくことが重要です。自分の想定と契約内容が違っていれば、詳細を確認し、許容できるかどうかの判断が必要です。契約直前に契約内容が思っていたものと違うと気づいて、トラブルにならないように注意しましょう。
売却価格の想定
出口戦略の話ですが、リースバック物件の場合は退去後に修繕して再度貸し出すことを想定していないので、最終的にどの程度の価格なら売却できそうかを事前に想定しておきましょう。
築年数の長い物件は建物の価値はほとんどないので、路線価から土地値と解体費用を想定して問題ないかは確認しておきましょう。
私の場合は多少値引き交渉があっても利回り8~9%はキープできそうだったので購入を決めました。
家賃保証会社の確認
リースバックを利用される方は経済的に住宅ローンの支払いが厳しくなったという方が多いので、滞納のリスクなどを考え、家賃保証会社が入っているかどうかが重要です。また、家賃保証会社の保証内容についても確認しておきましょう。
賃貸借契約の内容を見れば確認できるので、こちらもあらかじめ確認しておきましょう。
売主の事情を確認
売主の方がなぜ任意売却ではなくリースバックを利用したのかを仲介会社に聞いておきましょう。
やむを得ない事情があったのか、リースバックによって解消されるのか、今後も長期で積み続けてもらうことが出来るのかなどが事情を聴くことで納得できれば購入を検討してもいいかと思います。
利用される方がご高齢の方の場合は、万一お亡くなりになられた場合にどのような流れになるのかなども想定しておいた方が無難です。
まとめ
- リースバックは入居者が自宅を売却後に賃貸として住み続けるサービス。
- 投資先として空室リスクが低く、安定性が高い。
- 契約内容などを事前に確認し、売却を考慮したシミュレーションが重要。
リースバック物件は最近広告をよく見るようになりましたが、個人投資家向けは数が少ないので、いい条件の物件が出ればリスクも低くかなりいいのではないかと思っています。
実際にどの程度収益が出たのかなどは、今後まとめていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
始めて不動産投資デビューした個人的な体験談はこちらのnoteにまとめていますので興味のある方はこちらも合わせてご覧ください。